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宋文洲のメールマガジンバックナンバー第282号(2015.08.21)
日本が侵略戦争したのではない
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1.日本が侵略戦争したのではない(論長論短 No.249)
2.ネットを空気に変える会社、オプティム
(オプティム菅谷社長の連載「ぼくらの地球規模イノベーション戦略」 第1回)
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■1.論長論短 No.249
日本が侵略戦争したのではない
宋 文洲
中国人に「日本は中国を侵略した」と面と向かって言われると私にも辛いものがあります。なぜならば戦前でも戦争したい日本人は滅多にいないことを知っているからです。妻の両親の二人の祖父は赤紙で呼ばれて戦争に行きました。
どこでどう死んだかは未だに不詳です。徴兵に応じないと憲兵が来るし、当時の日本社会では生きていけないのです。
しかし、海外の人に「日本が侵略」と言われると、多くの日本人は辛いでしょう。
戦争や侵略が嫌いな自分が「侵略した」と言われた気分になるからです。
では外国人、特に中国人が「日本が侵略戦争をした」と言う時は、どういう中身を意味するでしょうか。
中国人は小さい時から日中戦争は日本軍国主義によって起こされた侵略戦争で中国に甚大な被害をもたらしただけではなく、日本国民も被害者だと教えられてきました。これは日本への報復禁止を呼び掛ける当時の蒋介石政府の声明にも、毛沢東政府の日中国交回復の声明にも、はっきりと書いてあります。つまり、「日本の侵略」は「日本軍国主義の侵略」を意味するのです。
軍国主義による被害の数字に見解の相違があれば、日本政府は客観的に中国政府に指摘すればよいのですが、日本政治家が「虐殺がなかった」と言い出すと、「歴史否定」と思われてもおかしくないはずです。特に国会の場で「侵略戦争に定義がない」とか村山談話を見直すとか宣言する国の代表がいれば、外交の場で「講和の契約をちゃんと守ってくださいよ」と言われるのは当然です。
このことを極右の方々が中国の「反日教育」と言うのは見当違いです。中国には日本軍国主義に反対する教育があります。旧日本軍を悪く描く映画やドラマもあります。しかし、戦後の日本や日本国民のことを悪く描く教科書や映画や番組などを私は見たことがありません。日本のマスコミのほうが中国のマイナス情報に熱心です。
私の中国側の親戚や友人は、私の日本人親戚や友人に向かって「日本は中国を侵略した」と言いませんし、思い付かないのです。相手のことを信頼している上、国民が同じ戦争被害者である自覚を持っているからです。しかし、未だに戦争を起こしたい人が日本に居ることも事実です。
先日、フジテレビの「みんなのニュース」に出て「日本はまた戦争するか」という討論に参加しました。100歳のむのさんの「当時殆どの国民は戦争を心配し、行きたくなかった。今のように思ったことが言えないからどんどん戦争にはまっていった」との回想に触発されて、私は以下の発言をしました。
「日本がまた戦争するかとの問い方に違和感を覚える。戦争したい国などない。しかし、戦争したい人は未だにいる。石原先生はカメラの前で『今の野望はシナと戦争して勝つことだ』と言いました。」
その場に居た石原慎太郎さんはさすが自分の前言を否定できず、苦笑いしながら「私は何も中国と事を構えるつもりは・・・しかし、尖閣はどう思うか」と話を逸らそうとしました。
私は「戦争を起こす人は戦争に行かない。自分の子供も行かない。石原先生はこの御年だから戦争に行く訳がない。戦争を起こしておしまい。」と言った時、むのさんが石原さんに向かって大声で言いました。
「そうだそうだ。石原、戦争に行って来い、行って来い。」
そうなんです。戦争をしたいのは国家ではなく人間です。戦争を避ける一番の方法は戦争したい人同士が戦争に行けばよいのです。戦争したくない人を巻き込まないでほしいのです。そして戦争したくない人の名誉も汚さないでほしいのです。
P.S.
「学生起業家が世界に飛び出す」(2014/10/17 宋メールより)
ほぼ一年前に皆様に紹介したオプティム社長の菅谷さんですが、その後順調に業績を伸ばし、スマートフォンのソフト技術の分野で着実に業界をリードしています。過去の週刊誌記事をスマートフォンで読み放題などの独創的コンテンツサービスも話題を呼んでいます。
マザーズ上場からそろそろ一年が経った今、彼自身が自分や自分のビジネスをどう考えているのかと思い宋メールへの寄稿に誘ってみたら快諾してくれました。
6回ほどですが、彼の話をお楽しみください。
(終わり)
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http://www.soubunshu.com/article/424486738.html
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今までの論長論短はこちら↓
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■2.オプティム菅谷社長の連載「ぼくらの地球規模イノベーション戦略」 第1回
ネットを空気に変える会社、オプティム
菅谷 俊二
私は、大学在学中に中学・高校時代の同級生たちとビジネスをはじめ、2000年にオプティムを創業しました。本店は佐賀県佐賀市、本社は東京港区愛宕にかまえており、スタッフ180名とソフトウェア開発を行うITベンチャーとして日々奮闘しております。皆様のお力添えのおかげもあり、2014年10月22日には、東証マザーズで上場を果たすことができました。(当然ながら、上場は1つの通過点に過ぎません。)
右も左も分からぬ中での創業で、失敗、失敗の連続、今思い返すと、顔から火が出るほど恥ずかしい話や、自分たちのあまりの間抜けさに笑い転げてしまうようなことばかりです。そのような話ばかりですが、もし、皆様の少しでもお役に立つ事があるのであれば、お時間をいただき、私たちの七転び八起きの奮闘記をお読みいただけますと幸いです。
全6回分、本メルマガにてお届けさせて頂きますが、そもそも、オプティムのことをご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、今回は簡単にオプティムのことをご紹介させてください。
私たちオプティムは、「ネットを空気に変える」という言葉をスローガンとして事業に取り組んでいます。もはや、インターネットは電気・ガス・水道につぐ、「第4生活インフラ」と呼べるくらい日々の生活に無くてはならない存在となってきました。
しかしながら、朝起きたらネットに接続できないなどの問題が、未だに起こっています。オプティムではこれらの問題を、ソフトウェアテクノロジーの力によって解決し、皆さんが仕組みなど知らずとも「ネットを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていく」ことに取り組んでいます。
本来インターネットによってもたらされる恩恵を最大限享受できればと考えております。
また、オプティムでは、イノベーションの実現を最も重要視しており、その為、常に新しい分野において積極的に研究開発を行っています。その結果として、特許の取得も行っております。特許資産規模の価値を評価する「パテントリザルト」によると、情報通信業界における、特許資産規模ランキングで国内第九位、IoT分野の国内特許総合ランキングは第三位となっています。
また、ダイヤモンド社が独自に調査をしたところ情報通信分野において私が個人特許資産規模で日本人第一位だったとの連絡も受けています。これらは、オプティムが保有する特許技術群の有効性、新規性が評価された結果であり、同時に、オプティムの技術力が評価いただけたものと考えております。
次回、ベンチャーを創業するまでの道のりをご紹介させていただきます。
(小学校三年で初めて作った会社。その名は「ハッスル」へ)
(つづく)
オプティム ホームページ
http://www.optim.co.jp/
(終わり)
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